つみたてNISAの積み立て日は月末にするとパフォーマンスがよくなる

個人投資家つみたてNISAが始まって以降、マーケットで興味深いアノマリーが観測されるようになったようです。

つみたてNISAはその名の通り、対象となる投資信託を積み立てていくのですが、その積立の設定にバイアスがあり、このバイアスがアノマリーを生んでいます。

このアノマリーを活用するには、つみたてNISAの設定日を月末にすればよいことになります。

つみたてNISAの設定バイアス

つみたてNISAは毎月買い付けるか、もしくは証券口座によっては毎日買い付ける設定も可能です。

そして、日経新聞によると、つみたてNISAの積み立て日を多くの方が毎月1日にしているようです。

まあ設定としてわかりやすいといえばわかりやすいのですが、このバイアスがアノマリーを生んでいるようです。

毎月1日のパフォーマンスがよい

積み立ての多くが1日に設定されたことにより、以下のアノマリーが観測されています。

証券会社を通じて毎月積み立てで投資信託を購入している個人の買い付け日を調べたところ、毎月1日(月初)に設定している人が最も多いことが分かった。

東京株式市場では2月まで20カ月連続で、その月の第1営業日の日経平均株価が前営業日に比べて上昇している。

積み立て投資の投信買い付け資金の流入が「月初の株高」の原動力になっているようだ。

(日経新聞より)

20か月連続で上昇というのは、統計的には有意です。

つまり偶然ではなく、何か必然的な理由が背後に存在していると言えます。

記事にあるように、第一営業日に買い付ける人が多いことが、20か月連続上昇というアノマリーを生んでいる可能性が高いです。

つみたてNISAの額はそれほどのインパクトがあるほど多いとは思えないため、おそらくつみたてNISA以外の通常の積み立ての影響もあるのではないかと推測しています。

いずれにせよ、この特異な現象は積み立て投資が一般的に認知されてきた査証でもあると考えられます。

積み立てを月末に行うことを推奨

このようなバイアスは、うまく使うことでパフォーマンスの改善につながります。

このケースでは毎月第一営業日のパフォーマンスがいいわけなのでその少し前に買っておけばこのアノマリーを取り込めることになります。

単純に積み立て日を月末に設定することで、このアノマリーは取り込むことが可能です。

あまりにも簡単すぎますが、このアノマリーが存続している間は第一営業日に買うのと、月末に買うのではそれなりのパフォーマンスの差が出るのではないかと思います。

アノマリーは広く知られると消失する

この手のアノマリーというのは、永続するものではありません。

大抵アノマリーの存在が知れ渡るとそのアノマリーを狙った売買が行われ、結果として消失する運命にあります。

ここでご紹介した月初第一営業日のアノマリーが今後どの程度持続するのかは定かではありませんが、それなりに知れ渡った段階で消失する可能性が高いです。

ちなみに20か月連続という記録は2018年3月に終了しています。

まあこれは前日に米国株が下落した影響が大きいとは思いますが、必ず勝つというわけではないわけですね(当たり前ですが)

むしろ気になるのは、このアノマリーを活用しようとする人が多くなりすぎて、月末にパフォーマンスがよくなるという状態になる可能性です。

まあこういう風に裏の裏まで読んでいるときりがないのですが、この手のアノマリーは使えるうちは使うというシンプルなスタンスでよいと思います。

なお、株式マーケットに関するカレンダーアノマリーは以下の記事にまとめていますのでご参考までにどうぞ。

関連記事:株式マーケットのカレンダー効果

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