資産運用業界とクオンツの給料・年収。最高は年収20億ドル!

クオンツクオンツを聞くと、高度なスキルを持っており、収入もかなりいいのでは?というイメージを持たれることがあります。

確かに一般的な平均値に比べると高いと思いますが、同じ業界内で見ると、必ずしもそうであるとは言えません。

また、国により、大きく給料が異なるという事情もあります。

ここでは、このようなクオンツ及び資産運用業界の給料事情についてご紹介します。

クオンツ特有の給料は存在しない

そもそも論ですが、日本の資産運用業界にあっては、クオンツ特有の給与体系というものは基本的に存在しません。

つまり、職種にかかわらず、会社や年次、評価により給料が変わってくるということです(除く一部のファンドマネージャー)

ここは職種や職務により給料が大きく異なる外資系とは大きく違うところです。

ですので、クオンツの給料を考える際には、資産運用業界の給料を考えればよいということになります。

資産運用業界の給料

資産運用業界は金融というセクターに属します。

そして、金融セクターの給料は総じて高めに設定されています。

つまり、資産運用業界も一般的な水準に比べると、給料は高いということです。

この資産運用業界の中での給料を考える際には、以下の2つの要素が重要になります。

  • 会社の規模
  • 親会社の給与水準

会社の規模

資産運用業は、規模の経済が大いに働く業界です。

つまり、預かり資産が大きくなればなるほど、儲けも大きくなるという構造です。

特に、損益分岐点を超えたあたりから、残高と儲けの関係は指数関数的に大きくなってきます。

そのため、残高が大きい≒会社の規模が大きい方が、報酬面でも恵まれている傾向があります。

要は大きな会社ほど扱う資産額が大きく儲かっているので、報酬もよいということです。

親会社の給与水準

もう一つ大切なのは、親会社の給与水準です。

日本の運用会社は基本的にどこかの金融機関の系列(子会社)のため、親会社の影響を強く受けます。

また、実際には多くの人が親会社から出向や転籍という形で運用会社にきているため、人事や会社の方向性といったところまで、親会社の影響を大きく受けます(会社により程度の差はありますが)

そのため、親会社の給与水準は目安の1つになるのです。

ただ、残念ながら親会社の水準は目安にはなるものの、実際には親会社の水準を超えることはありません。

もちろん個人ベースでみると給料がよかったりそうでなかったりするのですが、全体の平均としては親会社の給料を超えないように設計されていることが多いのです。

というのは、日本の運用会社は未だに子会社として扱われている部分があり、子会社は親会社を超えないという暗黙のルールがあるためです。

一方で、前述のように運用会社には親会社から出向できている人が一定数います。

出向で来ていようが、もともとその会社に入った人であろうが、やる仕事に大差はありません。

むしろ場合によってはずっとその会社で働いているプロパーの人の方が仕事はできるかもしれません。

仕事に大差がないにも関わらず、給料に大きな差をつけてしまうと、不満を感じる人が出てきてしまいます。

ですので、給与水準としては親会社を超えないものの、それよりも幾分低い水準というのが運用会社の報酬の目安となります。

このような背景により、親会社の給料が高いほど、その系列の運用会社の給料も高くなる傾向があるのです。

報酬の目安

では実際の報酬の目安はどのくらいになるのでしょうか。

ここでは、運用会社を大手、中堅と2つに分けてご紹介します。

大手運用会社の場合

大手運用会社とは、預かり資産上位10社に入るような規模の会社です。

大手の場合、概ねの目安は以下のようになります。

  • 30代前半で1000万
  • 40代で1000万代半ばくらい
  • その後は頭打ち(ただし役員などになれれば跳ね上がる)

中堅運用会社の場合

中堅運用会社とは、上位10社には入らないものの、大手の金融機関の系列に入る運用会社のことを指します。

預かり資産は大手に比べると少なくなるため、報酬も大手よりも劣ります。

それでもなお一般的な水準に比べると魅力的な報酬ではあります。

概ねの目安は以下のようになります。

  • 30代前半で800~900万
  • 30代後半で1000万
  • 40代で1000万前半くらい
  • その後は頭打ち(ただし役員などになれれば跳ね上がる)

こちらも大手と同じように40歳くらいまでは給料が伸びますが、その後は頭打ちとなる傾向にあります。

まあ頭打ちとはいっても1000万は超えるケースがほとんどなので報酬としては十分と言えるでしょう。

なお、ここで示した報酬はあくまでも目安であり、実際には個人の評価により上下にぶれます。

特にファンドマネージャーの場合には、素晴らしいパフォーマンスを継続し、スターファンドマネージャーと呼ばれるレベルにまで達すると、数千万というレベルの報酬になることもあります。

外資系の場合

外資系の場合には、日本のように年功的な要素が薄いため、目安というものが存在しません。

ただ、一般的には外資系の運用会社の方が人へのコストをよりかける傾向あるため、報酬は概して日系より高いです。

一方でよく言われるように、外資の場合にはリストラのリスクが日系よりも高いため、その分報酬が上乗せされているとみることもできます(ちなみに日系でもリストラがないわけではありませんが外資よりは少ないです)

ファンドマネージャーの報酬は差が大きい

日系と外資で最も報酬が変わってくるのはいわゆるスターファンドマネージャーの場合です。

このような人材は相当なコストを払っても獲得したいという要因が働くため、日系と外資では数倍の報酬の違いが生まれることがあります。

極端な例では、日系の会社でファンドマネージャーをしているときには2000~3000万くらいの報酬だったのが、ヘッドハントで外資に引き抜かれてから億を超える報酬になったという例もあります。

まあ要は業界に知れ渡るような存在になれた場合には、報酬に暗黙の上限がある日系より外資系に移った方が報酬面では報われることが多いということです。

最高の報酬が用意されているクオンツ系ヘッジファンド

日系の運用会社でも、世間一般的な相場と比べると報酬面ではかなり恵まれていると言えますが、世界に目を向けるととんでもない報酬をもらっている人々もいます

その最たるものが驚異的なパフォーマンスをたたき出しているクオンツ系ヘッジファンドです。

ルネサンステクノロジーのジムシモンズ

現在クオンツ系ヘッジファンドの最高峰に位置していると考えられているのはルネサンステクノロジーズというヘッジファンドです。

ジムシモンズという元々は数学者だった方が設立したヘッジファンドで、クオンツの世界ではその名を知らない人はいないほど有名人です。

このジムシモンズの報酬は、年間約20億ドル(円ではなくドル)です。

日本では日産のカルロスゴーンが報酬をもらいすぎだとかどうとかという話をたまに聞きますが、ジムシモンズはその100倍くらいの報酬をもらっているわけです

正直このレベルになると額が大きすぎて逆にイメージが湧きにくいですね。

つまりここでは何をいいたいかというと、この業界には腕に自信があり、驚異的なパフォーマンスを実現できれば、ほとんど青天井の報酬が期待できる世界だということです。

まあ流石にジムシモンズのような人材が日本から出るとは考えにくいですが、かつてソロモンでその名を轟かせた明神氏のように、日本人でもその名を世界に知らしめることは可能です。

それほどの人材であれば、おそらく日系の運用会社にはとどまらず、自分でヘッジファンドを立ち上げるなり、アメリカの有力なヘッジファンドで働くなりするとは思いますが。

クオンツの報酬のまとめ

以上、クオンツの報酬をまとめます。

まず、日系の会社の場合、クオンツだから給料がよくなるというようなことはなく、他の職種と同程度の報酬となります。

そしてその報酬の目安は会社の規模によりますが、

  • 30代で1000万
  • 40代で1000万前半~半ば

というのがおおよその目安です。

もちろん役員になったり、ファンドマネージャーとして優れた実績を上げた場合には、数千万というレベルの報酬に跳ね上がります。

一方で世界に目を向けると、報酬が青天井という世界が待っています。

世界で最も稼いでいると言われているルネサンステクノロジーのジムシモンズの報酬は20億ドルほどです。

腕に自信がある方は、この青天井の報酬の世界を目指してみるのも面白いかもしれません

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