クオンツアナリストになる方法を新卒と中途の2パターンで解説

スキルクオンツアナリストになる方法は大きく分けて2つあります。

社会人の最初から目指すのか、それとも中途として目指すのかです。

もちろん両者では大きく戦略は異なってきます。

新卒の場合にはポテンシャルが重視され、中途の場合にはこれまでの経験がより重視されます。

ただ、両者とも、人物本位という点については一緒です。

ここでは、この新卒と中途の2つに分けて、クオンツアナリストになる方法をご紹介します。

なお、クオンツアナリストにはセルサイド(証券会社)とバイサイド(運用会社)の2種類がありますが、ここでは主にバイサイドのクオンツアナリストを想定しています(セルサイドにもある程度参考にはなるかと思います)

新卒からクオンツアナリストを目指す

学歴要件

新卒からクオンツアナリストを目指す場合、まずは学歴が求められます。

必要とされるのは、早慶及び旧帝国大学の理系の大学院卒以上の学歴です。

稀に文系出身のクオンツアナリストも見かけますが、その場合でも専門が計量経済学であったりと理系に近い素養を持っていることが多いです。

残念ながら、この学歴に満たない場合には、少なくとも新卒でクオンツアナリストを目指すのはかなり厳しいでしょう。

ファイナンスに関する知識

採用する側からすると、新卒採用は基本ポテンシャルと人柄を見ているため、学生時代にファイナンスの勉強をしたかどうかは問われません。

しかしながら、実際にはある程度ファイナンスの知識、経験を持った人が採用されるケースが多いです。

これはどういうことかというと、採用を担当する面接官は基本的にファイナンスのプロです。

そのため、ファイナンスに関する知識があると、面接において話が弾む可能性が高くなります。

面接の合否において、話が弾むかどうかは大きなポイントです。

話がある程度弾まないと、まず次のプロセスには進めないでしょう。

このように、基本はファイナンスの知識は不問としながらも、実際には飛び道具として非常に有効なため、新卒でクオンツを目指す(もしくは運用会社を目指す)場合には、ある程度ファイナスはかじっておいたほうがよいです。

入社してからの配属

会社の配属というのは理不尽なものがあります。

基本的に会社は会社の都合で動くため、個人の希望などあまり聞いてくれません。

とはいうものの、全く個人の意向は無視されるかというとそうではなく、ある程度は聞き入れてくれます。

なので、もし希望の部署を出せる機会があれば、クオンツに該当する部署を希望しましょう。

これで少しくクオンツになれる確率は上がります。

加えて、もし理系の院卒であれば、ある程度分析的な素養を期待されて採用されていると考えられるため、クオンツ的な仕事につける確率は高くなります。

中途でクオンツアナリストを目指す

新卒でクオンツアナリストを目指すのもなかなか難易度は高いですが、それ以上に未経験の人が中途で目指すのは難しくなります。

そもそも論として、中途で入るためにはどこかの会社でクオンツを募集していなければなりません。

これがまた結構少ないのです。

そしてその少ないパイを求めて応募し、書類選考、複数の面接を経て内定を勝ち取らなくてはいけません。

ここからはそんな難易度が高い中途からのクオンツアナリスト転身方法をご紹介します。

採用が活況な時期を選ぶ

会社の求人状況は時期により大いに異なります。

求人が活発な時期とそうでない時期では、難易度がまるで変わってきます。

求人が活発な時期を見計らって転職活動をすることがまずクオンツに転身するためのコツの1つとなります。

ちなみにこの求人の周期は概ね5年くらいを目安にぐるっと回るので、1度機会を逃すと、5年くらい待つということになります。

ちなみにこの5年というのは、景気循環の周期と概ね同じになります。

このところの例で言うと、チャンスが多かったのは2017年~2018年、2013年~2014年。

逆に採用が激減していたのはリーマンショック後の2009年~2012年となります。

売りになるスキルを武器にする

中途でかつクオンツ未経験の人がクオンツアナリストになるためには、それ相応のスキルが求められます。

もし希望者が2人いて、1人がクオンツ経験者、もう1人が未経験だと、言うまでもなく前者の方が有利になります。

この状況を覆すには、何かしらかの売りになる武器が必要です。

クオンツには様々なスキルが求められますが、その中でも特にITや数学に長けている人というのは、それを突破口に採用までこぎつけられる可能性が高まります。

参考記事:クオンツに必要なスキルまとめ

確かにクオンツには数学やITに長けた人材が多いのですが、すごく数学ができたり、ITに詳しかったりといった人は実はそこまで多くないのです。

特にITに関しては、運用業界全体で人材が足りていないということもあり、スキルとしては大きなアピールポイントになります(ITをやりたいといって運用会社に入る人はほとんどいないのですね)

他にも数学オリンピックで入賞したなどの実績があれば、かなりのアピールポイントになります。

いずれにせよ、クオンツアナリストに求められるスキルの中で、これまでの経験と照らしてアピールできる部分を前面に出すというのが有効な戦略となります。

まずは運用業界に滑り込むことが大事

中途で運用業界、ひいてはクオンツアナリストを目指す場合には、まずは業界に入るということが大切です。

中途の場合にはどうしてもこれまでの経験が重視される傾向があるため、やはり業界未経験というのは劣勢を強いられます。

なのでまずは規模の大小を問わず、募集があるところに積極的に応募し、業界に滑り込むことが大切になります。

一度業界に入り、ある程度経験を積めば、次の採用が活性化した時に、他社に移るという戦略をとることができます。

まとめ

クオンツアナリストになる方法をまとめると以下のようになります

新卒でクオンツアナリストを目指す場合

  • 早慶、旧帝国大学以上の理系の大学院を卒業する
  • 面接に備え、ファイナンスの知識を学ぶ
  • 面接で盛り上がり、会社に採用される
  • 配属の希望を出す

ちなみに学生時代の投資経験は役に立つか?と聞かれることがありますが、個人的な印象ではあまり役には立ちません。

株式投資をしている人はとても多いですし、何より投資するだけなら誰にでもできます。

どういう洞察を持って投資し、その結果どういう結果が得られ、どのような投資戦略が有効だと考えている、くらいまで言えれば、アピールポイントになるかもしれません(少なくとも面接は盛り上がりそうです)

中途の場合には更に難易度が上がりますが、ポイントは

  • 業界全体が採用に熱心な時期を選ぶ
  • クオンツアナリストに必要なスキルの中で、これまでの経験から武器になりそうなものをアピールする
  • とにかくまずは運用業界に入る

といったことかと思います。

特に、ピンポイントでクオンツの求人というのは多くないため、求人を見かけたらとにかく申し込んでみることをおすすめします。

昨今では特に運用業界でもIT系の人材の不足が叫ばれていますので、この辺りに腕に覚えのある人には特にチャンスがあるかもしれません。

スポンサーリンク

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする