クオンツの人々の性格と特徴。典型例は高学歴の理系で数字とパソコンに強い男

数字

クオンツとは、金融機関に所属し、マーケットの分析や計量的なファンドの開発や運用などを行う人々の総称です。

一口にクオンツといっても、実に様々な人がいます。

しかしながら、冷静にその生態系を眺めてみると、ある一定の法則性と言うか、特徴というものが存在します。

ここではクオンツと呼ばれる人々の性格や特徴についてご紹介します。

なお、クオンツには証券会社で働く人や、金融系のIT企業で働く人などもいますが、ここでは運用会社で働くクオンツを想定しています。

高学歴

クオンツに関わる人は高学歴です。

基本的には理系の大学院卒が多いです。

大学で言うと、私立だと早慶、国立だと旧帝国大学がほとんどです。

つまり、クオンツになりたいのであれば、少なくともこれらの大学を卒業する必要があります。

また中には博士課程や助手、はたまた助教授から転身する人もいて、高学歴に拍車をかけています。

ただ、金融の本場である米国では、クオンツになるには一流大学の博士課程卒業がスタンダードになっているため、これに比べると日本のハードルは低いと言えます。

論理的

クオンツの人々は論理的です。

基本的にデータで物を言う人々です。

間違っても感情的に「自分はこう思います」とは言ってはいけません。

「このデータが示すところによると、こういう結論が導けます」と言わなければいけません。

もちろん口が達者であることは大きなアドバンテッジにはなりますが、その背後には必ず理論的な支柱がある必要があります。

あまりに定性的に物事を言い過ぎると、クオンツには向いていないと見なされてしまう恐れがあります。

数字に強い

職業柄当たり前ですが、基本的にみんな数字に強いです。

そもそも数字に強くない人はクオンツになりたいとは思わないでしょう。

数字に強いというのは、数学が得意、確率微分方程式が解けるといったいわゆる教書的な素養がまずは頭に浮かびますがこれだけではありません。

実務的により重要なのは、例えば

  • 数字の羅列を見てここが何かおかしいと気が付く
  • バックテストの推移を見てマイニングの可能性に気が付く

といった直感的な数字に対するセンスのようなものです。

まあこの辺りは経験とともに身についてくるものではあるのですがやはりその人のそもそもの素養や特性といった部分も大きいです。

重箱の隅をつつく

クオンツという人種は数字にうるさいです。

まあ数字を相手にする職業なので当たり前と言えば当たり前ですが

そして、時には数字を愛するがあまり、重箱の隅をつつくということがあります。

まあ重箱の隅をつつくというのは、それだけ精緻にデータを見ているということなので悪いことではないのですが、これが行き過ぎるとちょっと「うざい人」と思われてしまうこともあります。

また、「つつく場所」というのも大変重要です。

例え重箱の隅のように見えても、本質的におかしなところをつつく(つつける)のはある意味優秀な証拠です。

一方で、本当にどうでもよいところを丹念につつくのは「神経症」もしくは「バカ」と言い換えてもいいかもしれません。

このように、クオンツというのは少しめんどくさい人がいるところでもあります

否定的な見方をする

ここでいう否定的というのは、将来に対して否定的に見るというようなネガティブな人物像を言っているのではありません。

そうではなくて、例えばファイナンスの論文の結論に対して否定的な見方をしたり、また他の人の分析に対し否定的な見方をすることが多いということです。

そもそも論の話として、素晴らしい学術的な発見や、分析などが発掘されることはそうそうあることではありません。

日々多くの論文が発表され、また分析が行われていますが、その多くはゴミのようなものもとい革新性に欠けるものです。

このような現状に接するにつれ、分析に対し否定的な見方をするというスキルが徐々に身についてきます。

つまり変な研究を信じてバカをみないように、自己防衛のすべを身に着けていくということですね。

もちろん中には素晴らしい論文や分析もありますので、その素晴らしさを見抜くスキルと情報収集能力も大切です。

プライドが高い

クオンツにはプライドが高い人が多いです。

そもそも高学歴の人にはプライドが高い傾向がありますが、それ以上にプライドが高い人が多いのがクオンツ界隈です。

どちらかというと物静かな人が多いのですが、その中でも自分の分析や主張にプライドを持っていたり、ふつふつと内なる情熱を煮えたぎらせている方はとても多いです。

そしてプライドの高い人が多い為、プライドを傷つけるようなことを言うと徹底抗戦に合う可能性があります。

どちらかというと、プライドをくすぐるようなことを言う方が、クオンツの人々をうまく扱えるのではないかと思います。

男が多い

これはイメージ通りですが、クオンツには男が多いです。

そもそも理系的な職なので男が多いのは当たり前ではあるのですが、一般的な理系の学生より男性率は高いです。

おそらく推定で9割くらいは男ではないでしょうか(筆者の勝手な推定値)

どうも見ていると、やはりそもそも数字を使ったり、数学的なことをするというのは、女性より男性の方が得意のように思います。

これは私が男尊女卑の考えを持っているということではなく、これまでの経験からそう見えると言うことです。

海外では女性のクオンツの方もしばしば見かけるのですが、国内では男だらけというのが実態です。

若い人が多い

意外かもしれませんが、クオンツには比較的若い人が多いです。

理由としては、クオンツには手を動かす(ゴリゴリ分析する)ことが求められるため、そのような作業は若い人の方が得意ということがあります。

また、クオンツは一種の技術職のため、新しい技術(例えばプログラミング言語)をキャッチアップしていくのは若い人の方が有利ということもあります。

もちろん年配のクオンツの方もいるのですが、そのような方は自分で手を動かすというより、ご意見番のような立場であったり、若手を指導したり、案件の調整をしたりといったいわゆる管理職的な要素が強くなります。

仮説を立て、自ら手を動かして分析し仮説を検証する、という王道のクオンツ業務を行うのは、意外と若手が多いのです。

なお、ここでの若手は20代~30代くらいの人を指しています。

基本おとなしい

クオンツの職場は静かです。

無駄話の類はほとんど聞こえてきません。

そのためたまに話をすると周りの人に筒抜けだったりします。

そもそも無駄なことをあまりしゃべらないという性格の人が多いというのもありますが、それに加えパソコン相手の仕事が多い為、必然的に会話は少なくなります。

営業であったり、ジャッジメンタルのファンドマネージャーなどは話好きの人も多いですが、クオンツは基本静かな人が多いです。

そのため、たまにおしゃべりな人が来ると知らぬ間に浮いていたりということもあります(本人には全く悪気はないのですが・・・)

好奇心が強い

好奇心はクオンツに求められる素養の1つです。

好奇心がないとクオンツは務まりません。

どういうことかと言うと、求められる分析やスキル、ファンドは日々変わっていきます。

特に最近ではAIブームもあって、AI関連(というか機械学習)のスキルや分析が求められるというのが1例です。

日々同じような仕事をするのではなく、時流に合わせて適切な分析を行っていったり、新たなアカデミックなファイナンスの潮流をキャッチアップしていくというのは結構大変です。

このようなことを好奇心を持って取り組んでいける人がクオンツには多いです。

定常的な業務に終始するのではなく、日々新しい知識を取り入れ、分析のアイデアを考え、アウトプットを出していく。

このようなことができる人でないとなかなかクオンツは務まりません。

まとめ

以上をまとめると、クオンツな人々の特徴は以下になります。

  • 高学歴
  • 論理的で数字に強い
  • プライドが高い
  • 男が多い
  • 若い人が多い
  • おとなしい人が多いが好奇心は強い

これは最大公約数的な特徴なので、もちろん例外はあります。

例えば中にはおとなしくない人もいますし、女性や年配の方もいますし、プライドが高くない方もいます。

唯一例外が見当たらないのは「高学歴」と「数字に強い」ということでしょうか。

そういう意味で、この2つはクオンツの為の最低限の素養(というか条件)とも言えるかもしれません。

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