インフレのリスクに対処するために、
背後には、インフレになると企業が値上げし、
しかしながら、実証分析においては、
つまり、
では、どの資産が一番インフレとの相関が高いかというと、
物価連動国債という正にインフレヘッジを目的とした資産もありま
ここでは、短期有価証券がなぜインフレヘッジに最適なのか、
株式とインフレの関係
一般的に株式とインフレには正の関係があると考えられています。
つまり、インフレが起こるときには、
しかしながら、この考えは正しくありません。
実証分析においては、同時点において、
インフレが上がると、
一方で、長期で見ると話は変わってきます。
長期的には、(一般的に)物価は右肩上がりで上昇していきます(
株式も、短期では上下に振れますが、
つまるところ、物価と株価には同時点における相関はないものの、
言い換えると、インフレが株価を押し上げるのではなく、
なので、インフレのヘッジを目的とするのではなく、
短期有価証券(MMF、MRF)とインフレの関係
ではどの資産が一番インフレヘッジになるかというと、
短期有価証券はほとんどキャッシュのようなもののため、
短期有価証券がインフレヘッジ機能をもつ理由は以下になります。
- 短期有価証券の利回りは短期金利に連動
- 短期金利は物価に連動
短期有価証券の利回りは短期金利に連動
まず、短期有価証券の利回りは、短期金利に連動します。
短期有価証券の利回りは、
単純にいってしまうと、
昨今のマイナス金利政策の影響で、日本やヨーロッパでは
短期金利は物価に連動
そして、短期金利は物価に連動します。
そのメカニズムは以下の通りです。
まず、短期金利は中央銀行が決めます。
日本であれば日銀、米国であればFRBですね。
そして、この短期金利を決める際の重要な指標が物価です。
中央銀行の責務の1つが物価の安定のため、
単純化して言ってしまうと、物価が上がった(
このオペレーションにより、
そして、
なぜ短期有価証券がインフレヘッジになることが知られていないの か
上記のように、非常に単純なメカニズムにより、
しかしながら、一般にはこの事実はあまり知られていません。
なぜ知られていないのか?この点について、
販売サイドからすると不都合な真実である
MMFやMRFがインフレヘッジになることが知れ渡ると、
それは株式や投資信託を販売している方々です。
これらの資産へ投資するキャッチコピーとして、「
そして、実際にインフレは購買力を減少させる怖いものなので、
このキャッチコピーを使って商品を販売している人々(や会社)
これらの資産がインフレヘッジになるのであれば、
「
このように、
まあいわゆる金融機関で働いている人の中にも、
日本は長引くデフレという珍しい環境にあった
短期有価証券とインフレは連動するのですが、
それは長年デフレに苦しんだ日本です。
それなりに物価が上がっている海外では短期有価証券とインフレ率
その理由は単純で、物価が下がっても、
「Cash is King」 という言葉が一時期流行りましたが、
物価が下がったにも関わらず、
昨今ではそもそもマイナス金利により、
このように、
今の若い人は特にそうではないかと思います。
一方で、中年以降の方は思い出してみてください。
90年代半ばくらいまでの物価が上がる環境においては、
そして、
もちろん、銀行の預金の場合には、
それでも、それなりに物価には連動して動くのです。
物価連動国債(TIPS)はインフレヘッジに最適ではない
ずばり物価に連動することを目的とした金融商品があります。
それは物価連動国債と呼ばれるものです。
米国ではTIPSと呼ばれたりもします。
この物価連動国債は、国により商品設計は若干異なりますが、
一見インフレリスクのヘッジに適した商品のように思われますが、
その理由は以下の2点です。
- 個人投資家はファンドとして購入する必要があり、
コストがかかる - リターンが需給に影響され、必ずしもインフレ率に連動しない
個人投資家はファンドとして購入する必要があり、コストがかかる
物価連動国債に限らず、
ある国債を購入しようとすると、
まして銘柄を分散しようとすると、数十億かかることになります。
つまり、
ではどうするかというと、
物価連動国債についても、
しかしながら問題は、
保有だけでなく、購入にもコストがかかることがあります。
例えば、インフレ率が2%で、物価連動国債の利回りも2%
ここにファンドのコストが1%かかると、
つまりコスト分インフレ率に負けてしまうのです。
これではインフレヘッジにならず、
リターンが需給に影響され、必ずしもインフレ率に連動しない
物価連動債というのは、マーケット規模の小さな資産です。
規模は国により異なり、
マーケット規模が小さいと何が問題かというと、
一番わかりやすい例がリーマンショックの時ですが、
この時のインフレ率やその後のインフレ率を見ても10%
この背景には、物価連動債を保有していた金融機関が、
つまり、需給に大きな歪みが生じたのです。
このように、
しかも、いつ需給が歪むかは事前には予測できないため、
インフレヘッジにはMMFやMRFが最適である
まとめると以下のようになります。
まず、株式リターンとインフレ率には相関はほとんどありません。
なので、
ただ、両者とも長期的には右肩上がりになる傾向があるため、
各資産のうち、
短期有価証券の利回りは短期金利に連動し、
これらを踏まえると、
なお、物価連動国債(TIPS)
理由としては、
- 個人が保有するには物価連動国債を組み入れたファンドを買う必要
があり、それなりのコストがかかる - 物価連動国債はマーケットの需給にパフォーマンスが影響するため
、必ずしも物価には連動しない
といったところです。
結論としては、ただ単にインフレをヘッジしたいのであれば、
もちろんより高いリターンを目指すのであれば、