先日保有していたファンドが繰り上げ償還しました。
償還に際に、事前に繰り上げ償還を了承するかどうかの案内が来ており、もちろん「反対」に票を投じたのですが、私の保有口数では過半数を超えるべくもなく、やむなく償還となりました。
問題はその後です。
正直償還が決まった時点で売ってしまってもよかったのですが、いかんせん保有ファンドが償還することがはじめてだったため、興味本位で償還するまで保有し続けました。
そして、償還後の手続きは想像をはるかに超える面倒くささでした。
ここでは保有しているファンドが償還した際に起こる出来事と、現金化までの手続きの流れをご紹介します。
ファンドの償還の案内が送られてくる
ある日突然ファンドが償還される旨の案内が家に届きます。
残高の小さいファンドだったので、償還リスクは認識していたのですが、それが現実のものとなってしまいました。
案内にはもし償還に反対する場合には、決められた期日までに「反対」の意思を示す必要があることが記載されています。
もちろん私は迷わず「反対」に票を投じ、書面を送付しました。
しかし私の保有口数は全体からするとゴミのようなものなので、「反対」票を投じるもやむなくファンドの償還が決定しました。
ファンドを売るか償還日まで保有するか
ファンドの償還が決まった後には2通りの選択肢があります。
保有ファンドを売るか、償還するまで待つかです。
今にして振り返ると、ファンドを売ってしまった方がその後の処理が格段に楽であり、そうするべきだったと思います。
しかしながら、この時は償還すると実際にどういうことが起こるのかを知りたいという興味から、償還まで保有することを決めました。
償還後ファンドが一般口座に移され、売買もできなくなる
満を持して償還を迎えた後、保有資産一覧を見てみると償還したファンドが一般口座に移されていました。
これはテクニカルなものなのか、それとも実際に一般口座で保有している扱いになっているのかはわかりません。
ただ1つ言えることは、償還後直ぐに現金化されるのではなく、しばらくファンドに手が付けられなくなるということです。
この辺りの流れがよくわからなかったので(そして本当にキャッシュ化されるのかも疑問があったため)、サポートセンターに問い合わせてみました。
私「償還したファンドが一般口座に移されていて何もできない状態になっているのですが、どうしたらいいですか?」
サポート「〇月〇日に償還の手続きが完了しますので、その際に案内をお送りします」
この償還の手続きが完了するまでの期間は、実に償還日から2か月ほど経った日でした。
それまでは、このファンドに投資していたお金はロックアップ(全く動かせない)されていることになります。
残余財産給付金納付書が届く
サポートセンターから聞いた手続き完了日の数日後に、郵送で「残余財産給付金納付書」なるものが届きます。
中身を見ると、現金の受け取りにはいくつかのオプションがあります。
- 郵便局で現金を受け取る
- 郵便局で、郵便局の口座に入金してもらう
- 他の金融機関に送金してもらう
流石にファンドに投資していた現金を持ち歩くのは物騒なので、金融機関へ送金してもらうため、残余財産給付金納付書を持って郵便局へ出向きました。
郵便局では、他の金融機関への送金はできない
しかしながら、郵便局では他の金融機関への送金はできないと断られてしまいました。
その時のやりとりはこんな感じ
私「この残余財産給付金をこの銀行の口座に振り込んでいただきたいのですが」
郵便局員「こちらは他の金融機関への振り込みはできません。現金で受け取るか、郵貯の口座へ振り込むかですね。ただし、振り込む場合には手数料がかかります」
私「でもここに他の金融機関へ振り込む際の振込先を記入する欄がありますよね」
郵便局員「そちらは郵便局での受け取り期日(指定の1か月間)を過ぎた後に、対象の信託銀行へその納付書を送っていただくと、信託銀行からその銀行へ送金されるようになります。ですのでこちらでは扱っていません」
なんと、郵便局では他の金融機関への振り込みは行っていなかったのです。
確かに納付書をよく見ると、そのようなことが書かれていますが、実にわかりにくい!
結局郵便局に行ったのは無駄足になり、その後1か月ほど待ってからファンドの財産を保管する信託銀行へ振込先を記載した納付書を送りました。
ファンドが償還してから現金を受け取るまで3か月以上かかる
通算してみると、ファンドが償還してから実際に現金化がされるまで、3か月以上かかったことになります。
内訳は、
- 償還日から残余財産給付金納付書が送られてくるまで約2か月
- 実際に指定の金融機関に送金してもらうまでに更に約1か月
この間はファンドのお金は全く動かせず、流動性が0の状態になります。
また、時間だけでなく、様々な手間というコストも発生しました。
元々興味本位でファンドの償還まで保有してみたのですが、今振り返れば、
「こんなに手間がかかり、かつ現金もロックアップされることしなければよかった」
というのが率直な感想です。
悪いことは言いません。保有しているファンドの償還が決まったら、とっとと売却しましょう。
ファンドの償還まで保有していても何もいいことはない
以上がファンドの償還通知が届いてから、実際に現金として振り込まれるまでの流れでした。
ここまでを見ていただいてわかる通り、ファンドを償還まで保有していて何もいいことはありません。
あるのは手間と流動性がなくなり動かせなくなった資産だけです。
また最後に付け加えると、金融機関に現金が振り込まれた後、再びその資金を投資に使うには所定の証券口座へ送金する必要があります。
つまり償還後のお金の動きとしては、
証券口座(特定)⇒証券口座(一般、約2か月)⇒郵便局(約1か月)⇒信託銀行⇒指定した金融機関⇒証券口座(特定)
こんなまどろっこしいことになります。
お金が不必要にいろんなところへたらい回しになり、結局元の場所へ戻ってくるということですね。
そして元の場所に戻すまでには、すでに述べたようにそれなりの手間がかかるわけです。
普通に考えて、敢えてわざわざこんな面倒なことをする必要はありません。
最後にもう一度言います。
償還が決まったら、とっとと売り払いましょう。