為替ヘッジを活用すると為替リスク分運用効率(シャープレシオ)が上がる

パソコンによる計量分析これまで計測してきた期待リターン、シャープレシオは全て為替オープンでしたが、今回は為替のヘッジを活用することにより、運用効率(シャープレシオ)が上がるという話をします。

これまでの期待リターンの計測についてはこちらをご覧ください。

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シャープレシオとはなんぞやという方はこちらをどうぞ。

株式・債券・REITの期待リターン、シャープレシオまとめ
各資産の期待リターンをコストやリスクで調整し、比較を行います。

期待リターン、リスク、シャープレシオのまとめはこちらをどうぞ。

株式・債券・REITの期待リターン、シャープレシオまとめ(GPIF版)
前回の「株式・債券・REITの期待リターン、シャープレシオまとめ」の続きです。

ここからは、上記で算出した期待リターン、リスクをベースに話を進めていきます。

為替オープン時の期待リターン、リスク、シャープレシオ確認

まずはこれまで算出してきた為替をヘッジしていない外国資産の期待リターン、リスク、シャープレシオを確認します。

為替ヘッジなし
期待リターン
リスク シャープレシオ
外国債券 2.0% 11.0% 0.09
外国株式 5.5% 24.0% 0.19
外国REIT 5.5% 23.0% 0.20
新興国債券 4.0% 15.0% 0.20

為替ヘッジ時の期待リターン、リスク、シャープレシオ

次に、為替をヘッジした場合に各要素がどうなるかを考えます。

まず、期待リターンですが、為替リスクに付随する期待リターンは0のため、為替をヘッジしても期待リターンは変わりません。

リスクについては、為替リスクをヘッジしたことにより、全体のリスクは低減されます。

以上を踏まえて、為替ヘッジ時の各要素の数字は以下になります。

為替ヘッジあり
期待リターン
リスク シャープレシオ
外国債券 2.0% 5.0% 0.20
外国株式 5.5% 17.0% 0.26
外国REIT 5.5% 17.0% 0.26
新興国債券 4.0% 7.0% 0.43

(※注)リスクは為替ヘッジなしと同様に過去5年のデータを使用

シャープレシオの比較

  シャープレシオ
(為替ヘッジなし)
シャープレシオ
(為替ヘッジあり)
外国債券 0.09 0.20
外国株式 0.19 0.26
外国REIT 0.20 0.26
新興国債券 0.20 0.43

為替ヘッジなし、ありのシャープレシオを比較すると、為替ヘッジありの方が顕著に高くなっています。

これは、本質的にリターンを生まない為替リスクを排除したことにより、期待リターンがそのままで全体のリスクが低減したことが要因です。

このように、為替ヘッジを活用することにより、運用効率(シャープレシオ)を向上させることができます。

為替ヘッジはフリーランチと言われますが、ここではそのことを数字で示しています。

個人投資家にとっては、為替ヘッジ型の商品は身近ではないようですが、もっと普及してもよいのではと個人的には思っています。

ただし、個人的にはいつも為替をヘッジするのではなく、局面によって使い分けた方がいいと考えています。

為替ヘッジの方針については以下をどうぞ。

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