日本の個人投資家は為替取引(FX)が大好きです。
そして、為替取引の中でも、最も多く活用されているのがキャリートレードと呼ばれるものです。
キャリートレードとは、高金利の通貨を買って、低金利の通貨を売る(大抵は日本円)戦略ですが、常に勝てるとは限らず、勝てる相場と勝てない相場があります。
ここれは、このキャリートレードで勝つためのポイントをご紹介します。
キャリートレードとは
為替のキャリートレードとは、高金利の通貨を買って、低金利の通貨を売る取引のことをいいます。
日本円は低金利の通貨なので、日本の投資家にとっては円を売って、外国の高金利国の通貨に投資するという方法が一般的です。
先進国であれば、オーストラリアドルやニュージーランドドル、新興国では南アフリカランドなどが人気の投資先となっています。
キャリートレードの特徴
マーケット環境に大きく依存
キャリートレードは低金利の通貨を売って高金利の通貨を買うため、マーケットが穏やかな平常時においてはコツコツと金利収入(FXでいうスワップポイント)が得られます。
具体的には、経済環境が良く、マーケットがリスク選考的で、みんながリスクをとるような環境においてはキャリートレードは堅調にリターンを生んでくれます。
一方で、経済環境が悪く、マーケットが荒れ、投資家がリスク回避的になった場合には、高金利通貨は大きく売られるということが起こります。
平常時にコツコツ収益を稼ぎ、危機時に一気にやられるというのがキャリートレードの特徴となります。
キャリートレードを行う際には、この非対称な収益構造に注意を払う必要があります。
キャリートレードで勝つためのポイント
以上を踏まえ、キャリートレードで勝つための施策を2点挙げます。
リスク(レバレッジ)の管理
前述のように、キャリートレードは平常時においてはコツコツと金利収入が得られます。
この日々収益が得られるという状態は大変心地よいもので、こんなに楽して稼げるならもっと投資額を増やそう、レバレッジをもっと上げようという悪魔の声がささやいてきます。
しかしながら、キャリートレードはやられるときは一気にやられます。
思い返せば2000年代半ば頃、オーストラリアドルやニュージーランドドルへの投資が流行り、多くの知人もキャリートレードを行っていました。
しかしながら、2007年のサブプライム危機、2008年のリーマンショックにより1人残らず元本を消失させました。
コツコツと収入が得られる甘い時間は永遠には続きません。必ず高金利通貨が大きく売られるときが来ます。
そのため、レバレッジは過度に上げず、必ず自身のリスク許容範囲内に収めておくことがなによりも大切です。
ロスカットルール
コツコツ稼いであるときドカンとやられるのがキャリートレードの特徴ですが、このドカンとやられるのをある程度防ぐため、ロスカットルールは必須です。
10%やられたら、これまでの儲けのうちの半分までやられたらなど、ロスカットルールにも様々な種類がありますが、ここで大事なのは厳しめのルールを策定しておくということです。
ロスカットルールを適用しない、もしくは甘いルールにとどめるという対応では、大きな下げの時元本を消失させてしまうリスクを負います。
元本がなくなってしまえばそこでゲームオーバーです。しかし、ある程度やられるにしてもきちんと損切りをしておけば、また必ず投資のチャンスは巡ってきます。
マーケットから退出せず未来への希望をつなぐためにも、キャリートレードにおいてロスカットルールは必須です。
まとめ
キャリートレードにおける最大の天敵は平常時における金利収入の心地よさです。
この心地よさにだまされ、リスク管理を怠り、あるときドカンと元本を消失させるというのがとてもよくみられるパターンです。
平常時においてもリスク管理を怠らず(レバレッジを適切に管理し、ロスカットルールを適用)、ドカンとやられるときはロスカットルールでそれまでの投資を手じまいし、こつこつためた収益を持ち逃げするというのがキャリートレードにおける稼ぎ方の王道です。
いかに感情に支配されずに機械的にルールを適用できるかが最大のポイントとなります(これはキャリートレード以外でもいえることですね)