仮想通貨バブルが崩壊し暴落する理由。価格の安定と大量の投機は両立しない

通貨仮想通貨がバブルに沸いています。

チャートを見ると、右肩上がりどころかほとんど壁のような垂直に近い形にも見えるほどです。

一説によると、仮想通貨バブルはあの悪名高いオランダのチューリップバブルをしのぐ勢いだそうです。

この仮想通貨の暴騰はバブルなのでしょうか?それとも将来に向けたトレンドでしょうか?

ここにはいろいろな議論があるかと思いますが、個人的には仮想通貨はバブルであり、その暴落は将来的には不可避であると考えています。

ここでは仮想通貨が暴落すると考える根拠及びその後の仮想通貨の展望についての予測をご紹介します。

価格はバリュエーションと需給で決まる

株式投資にはフェアバリューが存在する

株式投資の場合、株価はバリュエーション及び需給要因によって概ね説明可能です。

つまりバリュエーションという物差しがあるから、需給要因によって短期的には上下に振れたとしても、長期的にはバリュエーションに沿った価格形成が行われるのです。

そういった意味で、株式投資というのは、(仮想通貨に比べて)比較的わかりやすいものです。

もちろん将来を当てるのは難しいですが、予測の為の物差しはあるということです。

仮想通貨は需給のみ

一方で仮想通貨の難しいところは、このバリュエーションという概念がないことです。

一部には、マイニングに必要な電力費から適正価格を算出する、というような試みもあるようですが、外挿的に価格をはじくだけでは本質的とは思えません。

つまり、仮想通貨に関しては、バリュエーションという概念を抜きにしてその価格を推定する必要あるということです。

需給から仮想通貨の暴落を予測

バリュエーションという概念がない状態で価格を評価しようとすると、残りの需給に頼るしかありません。

ここではこの仮想通貨の需給について考えます。

保有者の99%以上は投機目的

現在仮想通貨を保有している方の99%以上は投機目的とされています。

正確な数字はわからないのですが、ここでは簡便的に99%という数字を使います。

この数字は後ほど出てきますので、覚えておいてください。

仮想通貨の本来の目的

ここで、原点に立ち返って、そもそもの仮想通貨の目的を整理します。

少し長くなりますが、需給要因を考える上ではこのそもそもの目的は避けて通れません。

仮想通貨のメリットは何と言ってもその送金に対する利便性です。

例えば銀行経由で海外に送金しようとすると、多くの手数料がとられますが、仮想通貨であればその数分の1のコストで送金が可能というのがアピールポイントの1つでした。

他にも、もしインフラとして仮想通貨が広がれば、海外に行くときにビットコインがあればわざわざその国の通貨を保有せずともことたりるという例もあります。

つまり、仮想通貨の本質は、インフラとして広がることで、コストが下がり、利便性が上がるということです。

どこの国にも属さないという点を評価する方もいます(ここは賛否が分かれます)

もちろんその裏にはブロックチェーンという技術があるわけですが、使用者からすれば従来の通貨に比べ、コストが下がり、利便性が上がるというのが仮想通貨の最大のうりです。

仮想通貨がインフラになるためには価格の安定が必要

このように、仮想通貨がインフラとして使用されるようになるためには、価格が安定することが絶対条件です。

1日で30%も価値が変わるものを人々は日々の生活で使おうとはしません。

価格が安定しており、かつ価値が保全されているからこそインフラとしての機能を果たせるのです。

価格が安定するには投機家がいなくなる必要がある

さて、仮想通貨が本来の意味で世の中に受け入れられるには、価格の安定が必要と述べました。

ここで先ほど述べた99%の投機家が重要になってきます。

投機家は仮想通貨の価格が安定することを望んではいません。

望んでいるのは価格の上昇のみです。

しかし、インフラとして普及するには価格の安定が必要です。

ここに大きなジレンマが生じます。

当たり前ですが、価格の上昇と安定は両立しえない事象です。

そこで、将来的に仮想通貨が社会インフラになると仮定した場合に、このジレンマがどのように解消されうるかを考えてみます。

価格の安定には多数の投機家は不要

まず、価格の安定には、価格変動を望む投機家は不要です。

つまり、現在仮想通貨に参入している99%の投機家はいなくなることになります。

この投機家がいなくなるということは、その分の仮想通貨が売られることを意味します。

もちろん現在は投機家だらけの世界ですので、これらの人々が売れば価格は強烈に下がります。

このインパクトがどのくらいかは計り知れませんが、投機家の99%のうち、その多くがいなくなれば、90%下落してもおかしくはないと思います。

このように、投機家による需給要因により仮想通貨が暴落するというのが私の考えるシナリオです。

そもそも株式投資においても、需給要因による価格変化は、その後にほぼ間違いなく逆方向の動きとなって帰ってきます。

いわゆる「いってこい」という動きで、上下に振れたけど元通りの状態に戻ってきます。

暴落後の仮想通貨

暴落したら仮想通貨の価値はなくなるかというと、そうは考えていません。

むしろその後の方が重要です。

投機家がいなくなり、価格が安定すれば、社会インフラとして使える最低条件が整います。

そして、社会インフラとして受け入れられる程、仮想通貨の価格は上昇することも考えられます。

より多くの人が使おうとすれば、その価格は上がるということです。

そしてこの上昇は実需に支えられた健全な上昇というわけです。

だたし、ここでも重要なのは、あくまでも価格が安定していることです。

価格が不安定なものはインフラにはなり得ません。

もし円の価値が1日30%も変わるのであれば、誰も円を使おうとはしないでしょう。

価格の安定、つまり低ボラティリティであることが、仮想通貨が真にインフラとして受け入れられるかどうかの必要条件です。

理想的には、物価上昇率と同程度のマイルドな上昇率及びボラティリティであることが望まれます。

仮想通貨暴落のプロセスまとめ

最後に仮想通貨の暴落のプロセスをまとめます。

まず、現状は99%以上が投機家で、価格が安定していないため、社会インフラとして仮想通貨が受け入れられる可能性は低いです。

そのため、このままの状態で仮想通貨が上昇し続けると考えるのは無理があります。

仮想通貨が社会インフラとして受け入れるためには、投機家がいなくなる必要があります。

つまり、その過程において、大量の売りが発生し、暴落します。

そして暴落後、価格が安定するのであれば、そこでようやく社会インフラとしての最低条件が整うことになります。

何度も言いますが、社会インフラとして受け入れられるには価格の安定が必須です。

現状の投機家だらけの状態では、到底支払い時手段として仮想通貨は受け入れられません。

このジレンマを解消する過程において仮想通貨は暴落する必要があるのです。

以上が私の考える仮想通貨に対する将来的なシナリオです。

もちろん将来を予測することは困難(というか不可能)なので、この通りになる保証はどこにもありません。

むしろこの通りにならない可能性の方が高いかもしれません。

ただ1つ確かに言えることは、現在の仮想通貨の保有層は極端に投機家に偏っており、需給という観点から非常に大きなリスクがあるということです。

投機家はあくまで投機家なので、上がらなければ売るだけです。

そこに社会インフラがどうとかという概念はありません。

仮想通貨に手を出す際には、この辺りの保有者の構造とその行動傾向という点にも着目する必要あるのではないかと思います。

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