私の尊敬してやまない投資家の一人にジム・ロジャーズがいます。
投資家としてはジョージ・ソロスとともにクオンタムファンドを立ち上げ、驚異的なパフォーマンスを上げ、また冒険家として2度世界一周をしたことでも有名です。
ここではこのジム・ロジャーズの著書「世界的な大富豪が人生で大切にしてきたこと60」から、印象に残ったフレーズと個人的なコメントをご紹介します。
冒険投資家ジム・ロジャーズの名言集
体調管理の重要性
運動をして、しっかり寝る
これは基本中の基本ですね。運動と睡眠は、投資のみならず健康的な生活の基本のきです。
しっかりと運動し、寝ることで頭も冴え、投資判断も的確に行えるようになります。
そもそも健康でないと、投資どころか日々の生活も豊かに送ることはできません。
なにより健康が最大の資産です。
お金と価値
価値を考えてお金を使う
バフェットも同じようなことを言っていますが、自分にとってそれは価値のあることなのか、しっかりと考えてからお金を使うことが大切ですね。
例えばある人にとってはフェラーリはその金額の価値がありますが、車に乗らない私にとってはほとんど価値のないものです。
また海外に行くとよく現地の値段以上の価格を吹っ掛けられますが、基本私は現地の値段しか支払いません。
それがその場所における適切な値段であると考えているからです。
お金より好きな仕事
給料より好きな仕事を選ぶ
これもよく言われることですが、その通りだと思います。
どんなに給料がよくても、大嫌いな仕事であれば長続きしません。
また、好きなことに取り組むことで、結果的に給料が上がることも考えられます。
過去を振り返っても、好きなことに取り組んでいるときはお金のことは気にならず、結果としてお金が溜まっていたということが多いです。
一方で、つまらない仕事をしている時ほど、お金のことが気になります。
過去から学ぶ
歴史と哲学を学べ
歴史は繰り返すというように、過去から学ぶことは多いです。
また、哲学を学ぶことで、マーケットに大きな影響を与える人間の心理のようなものに敏感になることができます。
人間の記憶というのは限定的なもので、同じようなことを何度も繰り返してしまう傾向があります。
歴史からそのようなバイアスを学び、現在そのようなバイアスに陥っていないかをチェックすることで、投資判断もより適切に行えるようになります。
自分の経験
自分で経験し、自分で考える
投資においては、他人の意見はあてになりません。
特にその相手が金融関係者ならなおさらです。
ただ情報をインプットするだけではなく、実際に自分で経験し、その経験を元に自分で考えるということは投資においてとても大切だと思います。
どうしても自分で経験しないと実感をともなった感覚というのは身に付きません。
もちろん本を読んで知見を広げるということも大切なのですが、それ以上に自分で行動し、経験し、考えることが大きな糧になります。
金融の現場ではしばしば机上の空論を我が物顔で振りかざす残念な人がいます。
そしてそんな話はほとんど役に立ちません。
自分で経験したからこそ、その人の意見や考え方というのが説得力を増し、また実際のリターンにつながるのです。
他人と違うことをする
他人が目もくれないところを見よ
これも投資において大切な原則の1つだと思います。
他人から見放されているようなところにこそ、宝が眠っている可能性が高いです。
逆に、注目度の高いところは既に供給多寡になっている可能性があります。
みんなが群がっているところは避け、見過ごされているところに注目する。
これはパフォーマンスを上げるための非常にパワフルな手法です。
もちろん人と違うことをするのはそれなりの精神力を必要としますが、その見返りにリターンンも他の人より格段と大きくなります。
特に、多くの人がもうあそこはダメだ、あんなところに投資したくない、というようなところに宝は転がっているものです。
専門性の追求
関心がある分野に的を絞れ
いろんなことに手を出すより、好きなことに集中する方が実りが大きいということですね。
実際ジェネラリストというのは価値はあまり高くありません。
何でもできる人というのは、裏を返すと何もできない人にもなりかねません。
そうではなくて、自分の得意な分野、やっていて苦にならない分野に的を絞り、専門性を深める方が、人材としても価値も上がりますし、唯一無二の存在にもなれます。
バブル崩壊
バブルは必ず崩壊する
その通りですね。
ただ難しいのはいつ崩壊するのかがわからないところです。
バブルは自分が思った以上に長く続くことが多いです。
そのため、バブルにショートを仕掛けるのはあまり賢明ではなく、バブルがはじけるのをじっくり待ち、崩壊した後に二束三文で購入するのが賢いやり方です。
ただこの方法はとても時間がかかるため(そもそもどのくらいの時間がかかるかもわかりません)、相当な忍耐強さが求められます。
ちなみに個人的には以下の資産は現在バブルと呼べるのではないかと推測しています。
- 日本国債
- ビットコインをはじめとした仮想通貨
日本の未来
内向きの国に明るい未来はない
日本には痛い言葉ですね。
確かに移民を増やすなり、もっと国を開放していく必要があるのではと個人的には感じています。
経済の成長のドライバーとして大きいのは人口です。
人口が減っていく国の経済は縮小するか、よくてせいぜい現状維持です。
もちろん経済成長だけが重要ではありませんが、経済がよくないと貧困者が増え、人々の幸福度が下がるのもまた真実です。
今のままの延長で将来の日本を想像するとぞっとしてしまいますが、この辺りは政治に期待するしかなさそうです。
子供は国の宝
子供が増えない国は衰退する
これも日本には痛い言葉です。
育児の社会的支援をよりいっそう充実するなり国としての政策の必要性を感じます。
子供は国の宝です。
子供が減っていく国は同時に明るさも減っていきます。
徐々に日本も旧来の専業主婦的な価値観が変わってきているように思いますが、まだまだ不十分だと思います。
もっと子供をたくさん産みたい、育てたいと思える社会になってほしいものです。
日銀の金融緩和
お金を刷っても何も解決しない
日銀には耳に痛い言葉ですね。
確かにその通りだと思います。
本質的には問題の先送りですね。
別に先送りが悪いわけではありませんが、問題はその間に適切な構造改革が行われ、お金を刷らなくてもよい環境を構築できるかどうかです。
現状ではかなり怪しいですが、今は既に巨大な爆弾を抱えてしまっている状態です。
この爆弾がどこかの段階で爆発しないためにも、構造改革を進め、金融政策を正常化していく必要があるかと思います。
増税の負の側面
安易な増税は狂気の沙汰
一概に増税が悪いとは言えませんが、ここにあるように「安易」な増税はいただけません。
安易な増税は往々にして必要なところに回らず、気が付くと税金が増えただけで何も変わっていないということになりかねません。
もちろん増税はしっかりと考えた上で行うべきですが(そうされているとは思いますが)、是非それが有効に使われていることもしっかりと示してほしいところです。
インバウンド需要
中国人の旅市場にチャンスあり
いわゆるインバウンドですね。
実際に盛り上がったことを鑑みるとジムロジャーズには先見の明があったということでしょうか。
ただし、今後は中国に限らず、所得の増えたアジアの各国からのインバウンド需要が見込めます。
観光立国日本というのも悪くないですね。
農業の重要性
MBAより農業学を専攻せよ
ジム・ロジャーズは以前から今後は食物を自給できる人が強いと主張しています。
確かに週末農家の流行りなどを見ると、将来的に自給自足できる人がサバイバル能力が高いと言えるかもしれません。
将来的には地球の人口はどんどん増えていきます。
それにつれ必要な食物の量も必然的に増えてきます。
つまりある時点で需要が供給を上回ります。
すると必然的に食物の価格は上がります。
その時強いのは自ら食物を作り出せる人です。
そのような世界も見越した言葉であると思います。
自由とお金
お金で買えるものは自由
この言葉大好きです。
お金で買えるものは自由です。
お金を持つことで、できることが増える、つまり自由が増えるわけです。
私はお金を稼ぐ最大の目的はこの自由を得ることであると考えています。
逆に十分に自由に暮らせるというだけの額があれば、それ以上はお金のために働く必要はありません。
どこかに書いてありましたが、
「No Money No Freedom」
です。
お金がないと自由になれません。
是非自由を得るために、お金を稼ぐなり増やすなりしましょう。
最後に
ジム・ロジャーズは投資家としてではなく、その生き方についても個人的に尊敬している人です。
ジム・ロジャーズのように世界を自由に旅し、そこで得た知見をベースに投資をして更に資産を増やす、そんな生き方をしてみたいものです。
最後に、ジム・ロジャーズは以下のような言葉も残しています。
「私は旅をするために投資をしているのか、投資をするために旅をしているのかわからなくなる時がある」
最高の名言です。