インデックスファンドに潜む4つの罠

パフォーマンスチャート前回の記事ではインデックスファンドを使う理由をご紹介しましたが、今回はその逆のインデックスファンドに潜む問題点をご紹介します。

既によく知られていることから、個人的に思うところまで、4点ほど挙げさせていただきます。

インデックスファンドの問題点

インデックスファンドの問題点として以下の4点をご紹介します。

  • 先回り投資
  • 問題企業への資金提供
  • 時価総額比によるウェイト付け
  • 思考停止

以下順に説明していきます。

①先回り投資によるパフォーマンスの劣化

よく言われていることですが、インデックスファンドというのは定義が明確なため、どの銘柄がいつ組み入れられ、どの銘柄がいつ除外されるのか予測することが可能です。

新規組み入れが確実と思われる銘柄にはインデックスファンドによる資金流入が発生するため、これを見越してあらかじめ買い付けを行い、インデックスファンドが買い上げたところでその銘柄を売るという投資が行われることがあります。

そのため、インデックスファンド側から見ると、高値でその銘柄をつかまされるということになります。

インデックスから除外される銘柄についても然りです。

この問題が根深いのは、インデックスファンドが参照するベンチマーク自体のパフォーマンスがこのような売買によって歪んでしまうため、必然的にインデックスファンドのパフォーマンスも歪んでしまうということです。

実際パフォーマンスにどの程度の影響があるのかわかりませんが、個人的にはベンチマークにトラックすることだけに注力するのではなく、このような問題を回避する施策を設けてもよいのではないかと思います。

例えトラッキングエラー(ファンドとベンチ一マークとのかい離度合)が多少大きくなろうとも、絶対的な収益が大きい方が投資家としてもうれしいはずです。

②問題企業への資金提供

ある企業が問題を起こしたとします。

その企業は投資家からの強烈な売り圧力にさらされます。

問題を起こしたのでこれはある意味当然です。

しかしながら、そこである人がインデックスファンドに買いを入れたとします。

インデックスファンドは全く空気を読まずにベンチマーク通りに買いを入れるので、その資金はファンドを通じてその問題企業にも投資されます。

つまり、本来売り込まれるべき企業に対しても、無邪気に投資を行ってしまうのです。

結果、本来とは異なる価格になり、価格発見機能を損なってしまうという問題が発生します。

現在のインデックスファンドのシェアではそれほど問題にはならないかもしれませんが、もし今後インデックスファンドがマーケットのかなりのシェアを占めることになれば、価格発見機能の喪失は大きな問題となる可能性を秘めています(もしそうなった場合には、逆にアクティブファンドが大活躍するかもしれませんが)。

③時価総額比によるウェイト付け

これもよく言われることですが、インデックスファンドが参照するベンチマークは基本的に時価総額比によるウェイト付けを行っています(ものによっては浮動株調整済みの時価総額比)

時価総額とは、

株価×発行済み株式数

で表されますが、この式から、株価が上がるほどその企業のウェイトも上がるということがわかります。

つまり、時価総額比でのウェイト付けは、新規買い付けの際に順張り(上がった銘柄のウェイトが増えた状態で買う)の要素を含んでいるということになります。

ある銘柄が不自然なほど暴騰しても、その暴騰した分ウェイトを増やして新規買い付けを行ってしまいます。

有名な例がITバブルですが、このときは実態のないようなIT企業が多数買い上げられましたが、そのような企業に無邪気に多額の投資を行ってしまうのです。

マーケットには平均回帰性という性質が備わっているため、買われすぎたものは売られ、売られすぎたものは買われるということが往々にして起こります。

この観点からすると、インデックスファンドの持つ順張り性はあまり好ましくないパフォーマンスを生んでいる可能性があるのです。

このような欠点を補うため、時価総額比ではないウェイト付けを行うファンド(ファンダメンタルインデックスなど)も登場していますが、個人的には等ウェイトのようなシンプルなものでもよいのではと思っています(ちょっと小型株はしんどいかもしれませんが)

④思考停止

これ、個人的には結構問題ではないかと思っています。

例えば、新興国株式インデックスファンドへ投資している方に聞きます。

構成国上位はどんな国ですが?主要なセクターは何ですか?大きなウェイトを占める銘柄は何ですか?

意外と答えられな人、いるのではないかと思います。

インデックスファンドだから大丈夫だと思い込んでいませんか?中身を理解する必要がないと思っていませんか?

だとしたらそれはとても危険な考えです。

あなたが買い付けを行ったお金は、インデックスファンドという器に滞留しているのではありません。インデックスファンドを通じて、様々な国やセクターの銘柄に投資されているのです。

1投資家としては、自分の投じた資金が実際にどういう国やセクター、銘柄に投資されているのかを知っておくのは最低限のたしなみではないかと思うのです。

1つ極端ではありますが、例を挙げます。

新興国REITインデックスファンドというものがあります。

このファンド、中身を知らずに買ってしまうと大変なことになるかもしれません。

なぜなら、ポートフォリオの7割が南アフリカとメキシコで占められているからです。

インデックスファンドだから安心だ、でこのファンドを買ってしまうと、南アフリカ固有の問題が起きて暴落したとき、そんなの聞いてないよ、インデックファンドだから分散されているんじゃないのかよ、という話になってしまいます。

しかし、これは自己責任です。調べればそのようなリスクは事前にわかるのですから。

少し説教じみてしまいましたが、要はインデックスファンドだから安心だろうで思考停止するのではなく、きちんと中身を見て、どのようなリスクを取っているのか把握しましょうという話でした。

(もちろん、既に把握されている方、素晴らしいと思います)

最後に

最後は説教のようになってしまいましたが、じゃあ自分はちゃんと理解できているのかといわれると、はっきりとYESとは言えません。

なので実は自戒の念も込めて書いています。

投資家たるもの、常に自分が実質的にどういうものに投資していて、どういうリスクがあるのかは把握しておきたいものです。

これはインデックス投資家のみならず、アクティブファンドへの投資、個別銘柄への投資でも同じことです。

時間がない人も、せめて投資しているファンドの月次レポートくらいは読むことをお勧めします。

また、時間がある方は、ベンチマークの定義書にも目を通しておくことをお勧めします。

インデックスへの理解がよりいっそう深まると思います。

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コメント

  1. 吊られた男 より:

    3つ目の時価総額のところで一つコメントを。
    時価総額がふくらんだ銘柄を買い上がるとのことですが、特に買い上がることはないように思います。構成銘柄が時価総額比で保有されているなら、時価総額が増える銘柄があった場合、保有している銘柄の時価総額が増えるので、買い増しをしなくても自然とその銘柄のウェイトは上がります。
    時価総額がふくらんだ銘柄を利益確定せずに持ち続ける…という話はあるかと思いまうが、順張りで買い増すほどではないかと。

  2. ラッキー より:

    コメントありがとうございます。
    ここで述べているのは、インデックスファンドがある銘柄を買いあがるのではなく、インデックスファンドに投資する際、上昇した銘柄に多く資金を配分してしまうということです。
    例えば、A社とB社の2社から構成されるインデックスがあるとして(両方とも発行済み株式数は1)
    A50円
    B50円
    この状態だと、それぞれ50%の買い付けを行います。
    しかし、
    A150円
    B50円
    とA社が暴騰すると、このタイミングではA75%、B25%という買い付け比率になります。
    このように上がった銘柄により多く資金を配分してしまうという問題を指摘しています。
    確かに記事ではインデックスファンドそのものがウェイトを増やすために買いに行くという解釈もされうる表現になっているため、少し修正をさせていただきます。

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