REITの期待リターンはどの程度か

収益率これまでの株式・債券の期待リターン算出の続きで、今回は資産をREITへと拡張します。

初めて見る方は前回の記事からどうぞ。

株式・債券の期待リターンはどの程度か
2回にわたってGPIFの算出した期待リターンをお届けしてきましたが、今回は私自身による期待リターンの算出です。

REITの期待リターン算出

J-REIT:5%

期待リターン=配当利回り+内部成長率

という式から求めます。

配当利回りは足元では3.5%程度ですが、より長いレコードでは4%程度が平均的な数字なのでこちらを使います。

内部成長とはREIT自身の成長のことを指します。

例えば、現在の所有している物件の家賃が上がったり、空室率が下がったり、新規物件を購入して収益性が上がったりといった要因がこの項目にあたります。

この内部成長は経済成長と密接にリンクしているため、ざっくりと日本の経済成長率の1%を用います。

ゆえに、

期待リターン=配当利回り4%+内部成長率1%=5%

とします。

外国REIT:6%

J-REITと同じ、

期待リターン=配当利回り+内部成長率

が基本式ですが、外国資産の場合ここに為替の要因も加わってくるため、これを加えて

期待リターン=配当利回り+内部成長率+為替調整項

とします。

配当利回りは過去と現在でかなり違いがあるので悩ましいところですが、現在の水準4%程度は歴史的に見てあまりにも低すぎます。

今後金融緩和状態が正常化するに従い、配当利回りの上昇が予想されることを加味し、5%程度とします。

内部成長率はJ-REITと同様に経済成長率を代理変数として使い、外国の場合日本より成長率が高く2%とします。

為替の調整項に関しては前回の債券と同じで、短期金利の差分を調整します。

為替調整項=日本の短期金利1%ー外国の短期金利2%=-1%

ゆえに、

期待リターン=配当利回り5%+内部成長率2%ー為替調整-1%=6%

とします。

これまでの期待リターンまとめ

  期待リターン
短期金利(国内) 1.0%
国内債券 1.5%
国内株式 5.0%
短期金利(外国) 2.0%
外国債券 2.5%
外国株式 6.0%
J-REIT 5.0%
外国REIT 6.0%

前回の表にREITを加えました。

J-REIT、外国REIT共に株式と同じ期待リターンとなっています(個人的にはそれほど違和感はありません)

期待リターンの意味について

これまで算出してきている期待リターンは、今後20年や30年といった超長期的に各資産がどの程度の年率リターンを生み出しうるかを概算したものです(GPIF(日本最大の公的年金)は25年程度の運用期間を想定して算出しています)

ですので、今年の各資産のリターンはどうなるか、などという短い期間について予測しているわけではないことにご注意ください。

今後1年のリターンなどはまず当たりません。ストラテジストやエコノミストは商売の都合上今年の目標株価などを公表しますが、参考程度に留めておく方が無難です。

また、数字そのものを追うのではなく、その背後にある考え方を理解する方が得るものは大きいです。

より長い期間で見ると、その資産の持つ本質的な価値へと年率リターンが収束していく傾向があるため、より推定しやすくなります。

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