株式・債券の期待リターンはどの程度か

数字の配列2回にわたってGPIFの算出した期待リターンをお届けしてきましたが、今回は私自身による期待リターンの算出です。

GPIFを参考にしながらも、独自の視点を加味して期待リターンを算出していきます。

各資産の期待リターン

短期金利(国内):1%

これはGPIFと同じ数字です。

現在は0%付近ですが、将来的に金融緩和が正常化していく過程において、短期金利が上がると考えるのは自然です。

しかしながら、今後の日本の人口動態を考えると、大きな需要が発生することは考えにくく、従ってインフレ率も低位にとどまり、1%程度と見るのは妥当です。

(インフレ率と短期金利には密接な関係があります。歴史的に見ても短期金利≒インフレ率は概ね成り立ちます)

国内債券:1.5%

期待リターン=短期金利+長短金利差(長期金利と短期金利の差)

と考えます。

短期金利は上記の1%、長短金利差は歴史的に見て1%とします。

さらにここに今後の金利上昇による価格下落要因を加えます。

長期金利が2%上がる過程では、ざっくり15%程度のキャピタルロスが発生します。

これを今後30年かけて償却していくと仮定して、1年あたり0.5%のキャピタルロスが発生します。

ゆえに、

期待リターン=短期金利1%+長短金利差1%ー金利上昇によるロス0.5%=1.5%

とします。

国内株式:5%

期待リターン=国内債券の期待リターン+リスクプレミアム

という式から算出します。

国内債券の期待リターンは前述の1.5%、リスクプレミアムは歴史的には3~4%程度ですが、ここでは真ん中をとって3.5%とします。

ゆえに、

期待リターン=国内債券の期待リターン1.5%+リスクプレミアム3.5%=5%

とします。

短期金利(外国):2%

外国の短期金利は日本より高い2%とします。

日本より外国の方が経済成長率が高く、需要も強いため、インフレ率も将来的に日本より高い状態が続くと考えられます。

また、人口動態も外国の方が有利です。

そのため、短期金利に差をつけ、外国は2%とします。

外国債券:2.5%

期待リターン=短期金利+長短金利差+為替調整項

という式から算出します。

短期金利は前述の2%、長短金利差は日本より外国の方がイールドカーブが立っている(長短金利差が大きい)点を踏まえ、1.5%とします。

為替の調整項ですが、短期金利の差分は為替によって調整されるため、

為替調整リターン=日本の短期金利1%ー外国の短期金利2%=-1%

をこの項目に入れます。

ゆえに、

期待リターン=短期金利2%+長短金利差1.5%+為替調整項-1%=2.5%

とします。

外国株式:6%

期待リターン=外国債券の期待リターン+リスクプレミアム

という式から算出します。

外国債券の期待リターンは前述の2.5%、リスクプレミアムは歴史的な平均値の3.5%を使います。

ゆえに、

期待リターン=外国債券の期待リターン2.5%+リスクプレミアム3.5%=6%

とします。

GPIFとの比較

  GPIF市場
基準ケース
著者算出
短期資産 1.0% 1.0%
国内債券 2.0% 1.5%
国内株式 5.2% 5.0%
外国債券 3.5% 2.5%
外国株式 6.2% 6.0%

結果的にそれほど違いはありませんが、一番大きいのは外国債券の変化でしょうか。

外国債券が3.5%から2.5%になったことにより、内外の債券の期待リターンの差が1.5%から1%へ調整されています。

そこまで大きな違いではありませんが、個人的にはこちらの方がしっくりきます。

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