ETFは機動的な売買ができ、またコストも安いため、個人投資家にとってはとてもいい金融商品です。
昨今ではETFのラインナップも充実してきており、投資家にとっての選択肢は格段に増えてきています。
しかしながら、私はどうもETFへの投資が好きになれません。
その理由は以下の3点になります。
日中の値動きが気になる
ETFの利点の一つは、投資信託と異なり日中の好きなタイミングで売買できることです。
しかしながら、この利点が私にとってはデメリットとして働きました。
日中に自由に売買ができると、どうしても日中の値動きが気になるのです。
1日の動きなど、長期的にみれば取るに足らないものなのですが、なまじ自由にタイミングが選べると、どうしてもよりよいタイミングで売買しようとしてしまうのが人間の性です。
しかしながら、いいタイミングで売買しようとしても、当然一番いいタイミングで売買できることなど稀で、せいぜいその日の平均値くらいになるのがおちです。
ほとんど運頼みの日中の売買タイミングに気合を注ぐくらいなら、もっと他の努力が実る生産的なことをした方がましです。
そのため、私にとっては問答無用でその日の引け値で売買される投資信託の方が、日中のマーケットを気にする必要もなく、割りに合っていました。
指値注文が手間
ETFの場合、基本的に自分で売買する価格を決めてマーケットに出します。
価格を定めない成り行きという方法もありますが、売買高の少ないETFの場合にはとんでもない価格で約定してしまう可能性もあるため、あまりお勧めできせん。
この価格をどうするかというのはとても悩ましい問題です。
高すぎる値段で売ろうとしたり、低すぎる値段で買おうとすると、当然約定しません。
そんなことを繰り返していると、月日はどんどん流れ、売買チャンスも流れてしまいます。
場が開いている最中に指値注文を行えばほぼ確実ではありますが、日中に働いているサラリーマンにとってはなかなか難しいかもしれません。
このように、指値注文というのは価格を自分で設定できるという便利な側面に対し、約定しにくくなるというデメリットも存在するため、私はどうも好きになれませんでした。
やはり引け値でバシッと売買してくれる投資信託の方が私の性格にはあっていました。
配当金の払い出しにより複利効果が薄れる
ETFは商品設計上、配当金が投資家に払い出されます(正確にはコスト控除後の配当金相当額が払い出されます)
この配当金には税金がかかるため、再投資するにしても8割の金額しか再投資できません。
一方で、昨今の低コストのインデックスファンドでは、配当金を内部留保し(つまり税金をかけずに再投資)、長期的に見てより高い複利効果が得られる商品設計になっているものが多いです。
また、ETFの場合、配当金を再投資するのも手間になるので、この点でも低コストのインデックスファンドの方が望ましいといえます。
まとめ
以上の3点が、私がETFをどうも好きになれなかった理由です。
昨今ではインデックスファンドのコスト革命が進み、安価なインデックスファンドが増えたためETFの優位性はかなり薄れてきたように思います。
しかしながら、投資対象によってはETFを使わざるを得ない場合もあるため、ETFを一方的に毛嫌いするのではなく、その時その時で適切に使い分けていこうと考えています。